2024.11.27 09:29第10章03 マルクト霧島人工種研究所 SSFがある採掘都市ジャスパーの隣の『研究都市マルクト』は、その名の通り様々な学術研究機関が集う大都市で、都市中心には大規模な人工種製造施設マルクトファクトリー(MF)があるが、人工種管理の本部であるマルクト霧島人工種研究所(MKF)は中心から少し離れた『旧・研究都市』と呼ばれ...
2024.11.27 09:20第10章02 脱走 SSFの屋上では、カルロスが呆れたように「何だか知らんがモタモタと……」と呟いて屋上の出入り口を指差す。「あそこに何人か居るが、なかなかこっちに来ない。一体、何やってんだ?」 足止め役の管理の男は動揺を隠して沈黙したまま無表情を取り繕う。 カルロスは溜息をついて「全く。管理って...
2024.11.27 08:34第10章01 反逆 研究室から出されたカルロスと護は、四人の管理に囲まれてSSFの廊下を歩く。 階段を上がってメンテナンスルームがある階の廊下に入ると、右前方の部屋のドアが開き、周防が出て来て一同を見て溜息をつく。「やれやれ。私も忙しいんだが」 首を抑えて辛そうにしていたカルロスが「……周防」と呟...