2025.02.19 10:19第16章04 三隻合同採掘 2「完全に忘れられたのかと思った……」 ターさんによって甲板に引き上げられた護は悲し気な顔でションボリと呟く。 カルロスが大きく頷く。「うん、若干忘れられていた」 マゼンタも「うん、しっかり忘れてた!」と言い、穣は「まー人型探知機がいるから問題ない!」とニッコリ。 カルナギは「さてと。時間的に考えると……」と言って思案気にちょっと黙る。 そこへドゥリーがインカ...
2025.02.18 14:46第16章03 三隻合同採掘 1 上空に上がったブルートパーズとアンバーと黒船の三隻は、アンバーを先頭に背後に黒船、その上空にブルートパーズという体制で雲海に向かって飛び始める。 アンバーの甲板にはマリアや護、穣達アンバーズの他にマゼンタにくっついて来た妖精が数匹、更にターさんとカルナギも居て、カルナギは耳に着けたブルートパーズ用の通信機、言わば『イェソドで使われているインカム』で船や仲間...
2025.02.15 10:02第16章02 意識の変化 15分後。 黒船とアンバーの船体の前に、二隻の全員が集っている。一同は適当に前後二列になり、前列のカルロス、ジェッソ、昴、夏樹、護、マゼンタ、悠斗、オーキッド達は地面に座って他の人々はその後ろに立つ。皆の前にはカルナギとターさんが並んで立ち、その横には石の入った木箱が一箱。カルナギの背後にはブルートパーズの船のメンバー達がいて、その後方にはブルートパーズの...
2025.02.15 09:21第16章01 鉱石の妖精と ケセドの街に戻って来た黒船とアンバーは、先導船に従って街外れの採掘船停泊所へ向かう。 アンバーの前を飛ぶ黒船のブリッジでは、上総が興味深げに船窓から見える景色を眺めつつ「わぁ」とか「おぉ」と声を上げている。「高度下げたから街がよく見える! これがカルロスさんが暮らす街かぁ! なんか庶民的な街だー商店街あるー行ってみたいー!」 レトラが言う。「和解したのでも...
2025.02.15 09:21第15章05 大長老ダグラス 黒船とアンバーは、警備の有翼種達の指示で『大樹の森』と呼ばれる荘厳な建物の前の大きな広場に横並びに着陸すると、タラップを下ろす。各船の船内からゾロゾロと出て来るメンバー達。駿河と剣菱の船長二人は最後にタラップを降りると、『船の鍵』であるリモコンキーでタラップを上げて、船底の採掘口を閉じてロックする。 レトラは『大樹の森』の入り口前の階段下に立つと、自分の前...
2025.02.10 10:31第15章04 首都ケテルへ 船に戻った二隻の面々は発進準備を整えて、約束の時間が来るのを待つ。 アンバーにはターさん、黒船にはカナンと周防、レトラが一緒に乗船する。 やがてイェソド山の方から採掘船の半分程のサイズの警備船が3隻飛んで来ると、ターさんの家の上空に一旦停止し、それを合図にまず黒船が先に上空に上がり、警備船3隻の内の1隻が黒船の前に出て先導するようにイェソド山に向かって飛び...
2025.02.09 10:08第15章03 親族会議 ターさんの家の中で茶飲み話に花が咲いていた頃、家の前の庭では、アンバーのメンバー達が『妖精捕獲大作戦』を繰り広げていた。単にポンポン跳ねて逃げる妖精を捕まえるだけの遊びである。「アッ、ちくしょー逃げられた!」 オリオンの手をすり抜けてポーンと上に跳ねる丸い妖精。そこへサッとマリアの手が来るが、妖精はその手を素早くすり抜けてマリアの頭に一旦着地し、弾みをつけ...
2025.02.08 09:47第15章02 団欒(だんらん) ターさんの家の中に入った面々は、キッチンのすぐ前に置かれたダイニングテーブルの席に着く。テーブルの真ん中には、お菓子の入った大き目の四角い缶が置かれている。 テーブルの右側の椅子にはカナン、周防、ジェッソが並んで座り、ジェッソの隣には小さな折り畳みの丸椅子に腰掛けたメリッサが、その背後には昴と夏樹がそれぞれ丸椅子に腰掛ける。 テーブルの左側の椅子には駿河と...
2025.02.08 09:20第15章01 82年ぶりの再会 アンバーでは護とマリアに続いて穣や透、採掘メンバー達がタラップを駆け降り、カナンとターさんの元へ走る。 先頭の護は走りながら手を振って「ターさん、カナンさん!」「おかえりー」とターさんも手を振る。「やぁ、久しぶりだね」微笑むカナン。 二人の前に辿り着いた護は、追って来た穣やマゼンタ達に「この方がカナンさん!」と紹介する。 穣はカナンを見て少し驚き「ど、どう...