2024.04.20 17:03第2章04 一方その頃。 浮島で採掘中の護は思いっきり楽しそうに「よーし次はアレだー!」と叫んで妖精と一緒に走りながら、見つけたケテル石を黒石剣で叩き切り、切った石をうっとり眺めて「いい石だなぁ」と満足気。「やっぱり石っていいなぁ!採掘は楽しい!」 幸せそうな護の周囲を妖精がポコポコ跳ね回る。そこへターさんが木箱を吊り下げて飛んで来る。「護くーん、そろそろ終わりにしな...
2024.04.20 17:02第2章03 エネルギーを上げたまま強烈な探知を続けるカルロス。しかしその顔に徐々に不安の色が浮かぶ。 (おかしい。なんだこの不安は……。もしかして彼は既に死んでいて、私はそれを探知するのが恐いのだろうか) その時、船の周囲の天候が変わり始め、視界が徐々に悪くなる。 総司が不安げに呟く。「なんか曇って来たな……」 その言葉が更にカルロスの不安を煽る。 (こ、恐い。なぜだ...
2024.04.20 17:01第2章02 空飛ぶターさんが吊り下げる、大きな木箱に載った護は、目を輝かせ、ワクワクした顔でキョロキョロと周囲の風景を見る。「わぁ……!空って広いなぁ!」 護が嬉しそうに呟くと、ターさんが「空、飛んだ事ないの?」「今まで何度も採掘船で飛んだよ、だけどこんなに風を感じた事は無いし、こんなに空を見る余裕なんて無かった!……あっ、あれは何?」 前方に、空に浮かぶ何かが見えて...
2024.04.20 17:00第2章01 翌朝、夜明け前。 アンバーは洞窟から少し離れた林の中の、木々の隙間に埋まるように着陸して停泊中。その船体上部の、時に積み荷を乗せる事もある平らな甲板に、誰かが毛布を被って横になっている。 そこへカチャッと音がして甲板ハッチがゆっくり開くと、首にタグリングが付いていない眼鏡を掛けた若い男が頭を出して「ありゃ誰だ、こんな所に」と驚いて甲板に上がり、毛布をめくる...