2025.04.18 09:29第21章05 誕生 皆が黒船のタラップを上がって採掘準備室に入ると、既に駿河と総司、そして黒船の船内に残っていたメンバー全員が待機していた。 駿河は皆を見て「ええと、まず周防先生、イスどうぞ」と自分の右手前に並べた六つの折り畳み丸椅子を指差す。それから「剣菱さんも、椅子を」と言い「残りの椅子は早い...
2025.04.16 09:26第21章04 決断 甲板のハッチの縁に腰掛けているメリッサは、近くのジェッソ達の会話を聞きつつ胸に抱いた丸い妖精を撫でている。妖精は気持ち良さげにメリッサの腕の中でウトウト居眠り。「……幸せそうな顔しちゃって……」 妖精の顔を見ながらメリッサは妖精の頭をポンポンと優しく叩く。 それにしてもこの妖精...
2025.04.14 10:41第21章03 紺碧の空 やがて二隻は死然雲海に入り、先頭を飛ぶ黒船のブリッジの船窓も白一色になって視界が消える。 総司が思わず「うわ、濃いなぁ」と呟き、隣に立つ上総に「探知、大丈夫か?」と聞く。「んー……」 目を閉じ眉間に皺を寄せ、身体の周囲を若干青く光らせながら唸る上総。 駿河も上総を気遣うように「...
2025.04.12 09:45第21章02 総司の想い「船がどんどん重くなる。凄いな」 黒船の船長席で、計器を見ながら駿河が呟く。 そこへピピーとコール音が鳴り、ブリッジのスピーカーから『ブリッジ! そろそろ貨物室満タンになるから甲板積みいきまーす』とジェッソの声。同時にやや遠くから『アンバーも甲板積みいきまーーす!』という穣の声が...
2025.04.10 09:50第21章01 帰路へ 翌朝。 採掘船の制服姿のカルロスと護がテクテクとカナンの店に向かって歩いている。 二人は店の入り口に着くと、護がドアを開けつつ「おはようございまーす!」と挨拶。「おはよう!」 入り口近くのテーブル席に座っていた周防、ターさん、カナン、セフィリアが二人を見て挨拶を返す。 ターさん...