2024.04.22 16:11第4章03 カルロスは必死に森の中の獣道を走っている。 相手の探知を妨害しながら相手を探知するのは慣れているが、走り続けながら複数の存在に対してそれを行い、更に自分の進路も探知するというのは前代未聞の荒業で、心の中で愚痴を言う。 (アンバーまで加わりやがって、難易度上げるなよ、全く!……あっ、黒船が動いた。この進路だと恐らく護が流された川を頼りにあの湖を目指している。...
2024.04.22 16:10第4章02 翌朝。 黒船は快晴の空を飛んでいる。その採掘準備室では一同が作業の準備中。そこへ船内スピーカーからピピーという音が鳴る。『現場到着まであと10分です』 ジェッソは道具の入ったコンテナを壁際に置き「そろそろ整列するかー」と一同に呼びかける。「ほーい」「ういっす」 各自、返事をしながら横並びに並び始める。「今日の現場はどんな所やら」 ジェッソの呟きを掻き消すよ...
2024.04.22 16:10第4章01「なんか力が出ないなぁ」 疲れた顔の悠斗がスコップ片手にボソリと呟く。 小高い丘の崖下の林の中で採掘作業をしているアンバーの採掘メンバー達。すぐ上にはアンバー船体が上空待機している。 穣もはぁ、と溜息をつきながら崩したイェソド鉱石をスコップですくってコンテナの中に入れる。 周りを見ると、皆ダラダラと作業していて覇気が無い。そりゃヤル気も失せるわな、俺も疲れた...