2024.04.21 16:01第3章03 数日後の朝。 護はターさんの吊り下げ木箱に乗って快晴の空を飛んでいる。 果てしなく続く青い空を見ながら、この空のどこかにアンバーやブルーがいるんだなぁという思いが浮かぶ。 (皆、元気かな。会いたいな。会って、謝りたい……特に、穣さんと透に。以前の俺は石頭で、色々と酷い事を言ってしまった。更に事故って行方不明になって……) 俯いて、ちょっと溜息をつく。 (だ...
2024.04.21 16:00第3章02 午後7時、採掘都市ジャスパーの採掘船本部。 駐機場に停まっているアンバーの船内食堂に、剣菱と穣がいる。 二人はテーブルを挟んで向き合って座り、スナック菓子をつまみつつ、缶ジュースを飲んでダラダラしている。他には誰も居ない。「やっぱ酒が飲みたいな……」 テーブルに片肘を付き、もう片方の手でジュースの缶を揺らしながら穣が呟く。 剣菱は「船内、お酒禁止ですので」...
2024.04.21 15:59第3章01 2日後の朝。 護が乗った木箱を吊り下げ、浮島の上空を飛んでいたターさんは、ケテル石が採れる場所に到着するとゆっくり木箱を降ろして着陸する。 木箱から護が出て来るのを待って「多分、君は黒石剣よりこっちの方が合うと思うんだ」と言い自分の斧を見せると「今日は君の白石斧を作ろう」「俺の?」「うん。まずは斧の刃になりそうな硬いケテル石を探して、黒石剣で板状に切る。幅...