2024.11.27 08:34第10章01 カルロスと護は人工種管理官用の研究室から出され、四人の管理に囲まれてSSFの廊下を歩く。 階段を上がってメンテナンスルームがある階の廊下に入ると右前方の部屋のドアが開き、周防が出て来て一同を見て溜息をつく。「やれやれ。私も忙しいんだが」 首を抑えて辛そうにしていたカルロスが「…...
2024.06.14 12:53第9章03 管理の船はSSFの屋上に着陸し、タラップから一同が降りて来る。「おおーSSFだ!カルさんの実家だ!」 周囲を見回しながら嬉しそうに言う護。 カルロスは嫌そうに「実家じゃない!私は周防がまだMFに居た頃に作られたんで!」「そっか。アンタMF SUだもんな」「まぁ定期メンテで若干こ...
2024.06.14 12:53第9章02 アンバーのブリッジではカルロスが至極恥ずかしいと言った様子でブツクサ呟く。「やれやれ全く。何だか知らんが色々喋ってしまった」 護が「そんな照れなくても」と言うと、「ウルサイ」と腕組みして護に背を向ける。「良かったやん、黒船と話できてー」「あっ、ところで!」カルロスはバッと振り向...
2024.06.14 12:52第9章01 黒船は真っ白な霧の中に停止して立ち往生している。 上総が大きな溜息をつく。「また探知できなくなった。多分この霧のせいだ。だってなんか変だもん。遺跡に行った時も濡れなかったし」 操縦席の左隣に立つ上総を見ながら総司が「厄介な霧だなぁ」と言い「まぁこれが、穣さんのメールにあった死然...
2024.06.04 07:16第8章04 アンバーのブリッジでは、マリアが喜びに顔を輝かせて大きな声を出す。「近づいてきた、もう少し……わぁ、凄い!」 ネイビーが操縦しながら不思議そうに「どしたの?」「行けば分かるの!速度を落として!」 剣菱は溜息をついて「何が何やら」と腕を組む。「この辺りで止まって!もうすぐ来るから...
2024.06.04 07:16第8章03 一方その頃カルロス達は、死然雲海を切り開いた場所で休憩中。 巨大な石の上に座って水筒のお茶を飲んでいる。「いやぁ結構な距離を飛んだねぇ。ダアトは遠いなー」 ターさんは小さなコップに注いだお茶を飲む。「スマン、ターさん。護が妖精と遊んでばっかりで」 カルロスに指差されて護は怒る。...
2024.05.25 05:47第8章02 アンバーは死然雲海の中を飛んでいる。 ネイビーが必死に操縦しながら怒って叫ぶ。「ああもぅしつこいな管理!何で雲海の中まで来るの。そろそろ諦めてよ!」 その隣で探知しながらマリアも「管理が離れてくれないと、遺跡に行けない!」「もうメンドイから管理と一緒に遺跡行っちゃえ」 すると穣...
2024.05.25 05:47第8章01 数日後の早朝、ジャスパー採掘船本部。 駐機場に停まっているアンバーの採掘準備室では、朝礼が行われようとしている。横一列に並んだメンバー達の表情は真剣そのもので、皆、一同の前に立つ剣菱と穣を注視する。「皆さんおはよう!」「おはようございます!」 皆の元気な返事を聞いた剣菱は、穣の...
2024.05.08 07:53第7章04 次の日の午前中。 護とカルロスはターさんの吊り下げ木箱に載って空を運ばれている。下を見ると山腹の街が点々と見え、山の上に近づくにつれて航空貨物船や、飛んでいる有翼種の数が多くなる。 やがて、やや大きな街が見えて来る。ターさんはそこに近づきつつ「あれがコクマの街か。それにしても上...
2024.05.08 07:53第7章03 死然雲海の浮島で、カルロスが雲海切りの練習をしている。 真剣な顔で黒石剣を構え、少し先の森の中に広がる白い霧に向かってバッと黒石剣を振り下ろすと、一瞬、霧が舞い上がり、徐々に消えて、周囲の森の景色が現れる。「そうそうそんな感じ!」 カルロスの背後の上空に浮きながら、ターさんが褒...
2024.05.08 07:53第7章02 翌日。 本部の駐機場に停まっているアンバーの採掘準備室では、剣菱以下全員が集まり穣の話を聞いている。 剣菱は腕組みをすると「一体、管理は何を隠してんだと思っていたが、凄いモン隠してたな」 ネイビーも「予想の斜め上を行く凄さだった」と呟く。 マリアは「管理が捜索をやめたのはそうい...
2024.05.08 07:51第7章01 ある日の午後。 ジャスパーの採掘船本部に程近い場所にある、周防紫剣人工種製造所(SSF)の門の前に、スーツ姿でハチマキの無い穣が一人、菓子折りの入った白い紙袋と黒いクラッチバッグを持って落ち着かない様子で立っている。 (いよいよこの時がやってきた……周防先生に会う!うぅ緊張爆裂...