2025.01.26 09:12第11章04 駿河 何と言葉を返したらいいのか皆が戸惑っていると、それまでずっと黙って話を聞いていた駿河が突然、声を上げる。一同の中央に置いてあるテーブル代わりの小さなコンテナにコーヒーのカップを置いてから「周防先生、俺は黒船で、貴方をイェソドのカナンさんの所へ連れて行きたいと思います!」 思わず...
2025.01.25 09:08第11章03 周防の過去 周防は話を続ける。「ところで私のナンバーはATL SK-KA B02で製造師記号が二つ入ってる。KAは神谷俊明、SKは周防和臣。この和臣という製造師は人工種の進化の為に有翼種の遺伝子が必要だと考えて、イェソドを探す為に神谷さんと一緒にB02を作り始めた。しかし私が生まれる直前に...
2025.01.24 10:37第11章02 昔話 アンバーと黒船は霧島研を離れ、SSFに向かってアンバーを先頭に飛び始める。 黒船の採掘準備室では、周防の話を聞きたい人々が折り畳み椅子や小さなコンテナを並べて輪になるように集って座り、突発的な『お茶を飲みつつ話を聞く会』が開かれようとしていた。 周防の右隣には護、メリッサ、昴が...
2025.01.23 07:01第11章01 溜息「なんか絶望したなぁ……」 霧島研の屋上で、ジェッソの隣に立つ駿河が溜息混じりに呟く。円になって立ち話をしているジェッソと駿河、上総、昴、夏樹そしてレンブラントの六人。 建物から少し離れた上空には黒船とアンバーの船体が並んで待機していて、屋上に停めてある管理の小型船が移動して着陸...