2024.06.14 12:55第9章04 メンテナンス 管理の船はSSF敷地内の製造棟の屋上に着陸し、タラップから一同が降りて来る。 周囲を見回しながら嬉しそうに護が言う。「ここがSSFか! カルさんの実家!」 カルロスは嫌そうに「実家じゃない! 私は周防がまだMFに居た頃に作られたんで!」「そっか。アンタMF SUだもんな」「まぁ...
2024.06.14 12:53第9章03 管理との再会 アンバーのブリッジではカルロスが至極恥ずかしいと言った様子で何やらブツクサ呟いている。「やれやれ全く。何だか知らんが色々喋ってしまった」 隣に立つ護がニコニコしながら言う。「そんな照れなくても」「ウルサイ」腕組みして護に背を向けるカルロス。「良かったやん、黒船と話できてー」「あ...
2024.06.14 12:53第9章02 本心 アンバーで黒船と通信中のカルロスは、暫し黙ってから、はぁと深い溜息をついて項垂れると、受話器を口元から少し離して「こんな所で何を話せと……」と顔を顰めて小さく呟き、船長席の剣菱と、隣に居る護に背を向け、意を決したようにポツリポツリと話し出す。「……昔、俺は採掘が嫌だった。人工種...
2024.06.14 12:52第9章01 黒船とカルロス 黒船は真っ白な霧の中に停止して立ち往生している。 上総が大きな溜息をつく。「また探知できなくなった……。多分この霧のせいだ。だってなんか変なんだもん。水気が無いし」 総司も「厄介な霧だなぁ」と溜息をついて言う。「まぁこれが、穣さんのメールにあった死然雲海って奴なんだろうな」 上...
2024.06.04 07:16第8章05 再会「近づいてきた、もう少し……わぁ、凄い!」 アンバーのブリッジでは、マリアが喜びに顔を輝かせて大きな声を出す。 ネイビーが不思議そうに「どしたの?」と聞くと「行けば分かるの! 速度を落として!」「減速しまーす」「えっと、どうしようかな。もうちょっと行ったら……」 剣菱が「何が何や...
2024.06.04 07:16第8章04 発見!「いやぁ結構な距離を飛んだねぇ。ダアトは遠いなー」 そう言ってターさんは水筒から小さなコップに注いだ石茶を飲む。 死然雲海を切り開いた森の中、古代の遺跡らしき巨大な石の上に座って石茶を飲んでいる三人。 カルロスは護を指差し「スマン、ターさん。護が妖精と遊んでばっかりで」 護は怒っ...